2017年7月23日 (日)

夏は車にも暑いです

いやはや夏ですね。 汗がでると仕事してる雰囲気があるのでよろしいです。

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そんな先週の月曜日に洗濯機がこわれました。 インペラという羽根の中心ネジがゆるんでしまい、増し締めしても効果なし。 ようやくつながった電話先のお客様センターの回答では

部品は「古いから」ありません

ということだし、とりあえずの点検と思っても、出張修理は2週間待ちだというので、はい、新品購入です。

近所のK電気で、すぐに到着する洗濯機は高額品ばかりで手ごろな機種は金曜日到着でしたが、「おくさまの決断」で

月曜から金曜まで5日間の洗濯手洗いとなりました 汗・・

修理部品があるのは有り難いことだと気がついた5日間でした。

夏の暑さでもオーバーヒートしないのは356とビートル空冷に共通するクーリングファンのおかげですが、今までに組み付け不良を数多く見ました。

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わずかに残っている破片でファンが飛び散らないですんでいました。 怖いです。

原因は中心のハブとナットの組み合わせが数種類あるためです。 どこかの修理時点でナットだけ、またはハブだけの交換をした時の確認不足です。

ネットの修理記事で裏側のナットだけ外してダイナモ交換というのを見ましたが、と~んでもない事ですからね。

エンジン加速時にガラガラ音がしたら耳についてうるさいものです。 気にしてみましょう。

ベアリングも怪しいので専用工具で分解します。

Rimg2480ベアリングもグリスが溶けていました。

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そんなわけで1箇所だけ悪いというのは最近の10年以内の車だけです。

50年も過ぎている機械、もしくは「他人がやったこと」は確認の必要があります。

下写真のセンター部分、ハブの形が正常な状態です。

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2016年12月11日 (日)

6Vのヘッドライトが暗いのは本当でしょうか

12V改造の356もよく見かけます。 オリジナルにこだわらず楽しむのも方法ですし、本来の6Vが悪いわけではありません。

VWのオルタネーターには私もお世話になりますが、でも見た目がちょっと、という方も多くいらっしゃいます。

ETC、ナビは6Vで使える機種があります。

さらにシガライターから携帯に電源を取るならば、12Vにステップアップするコンバーターを使えます。

6Vから12Vへのステップアップ・コンバーターも、タバコの箱より小さく安価な製品を平成29年に販売予定です。

こちらの制限電流は4アンペアなので、12ボルトで使えるのは、

4アンペア X 12V =48W となり、携帯と12Vのナビも併用で使えます。

48W以下で使うので、ヘッドライトもハロゲン電球は無理ですが、最新のLEDであれば、36Wクラスの製品でも、すごい明るさになります。

さらに技術の進歩のおかげで、「6Vで点灯するLED球」も開発されています。

こちらは6Vの356Bですが、右側がLED、左側はハロゲンH-4のライトの色で、右のLEDは真っ白な光りになります。

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こちらは現在の6ボルト、H-4ハロゲン球、またはヨーロッパライトの6Vラウンド球の交換だけです。

USAではヘッドライトAssyごとで点灯する6Vのライトがありますが、USAの製品はレンズが右側通行用であり、進行する左を減光しているレンズカットとなり、日本の車検では、車検不適合となります。

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6VのLEDを上向き測定した光度計はとても明るいです。

車検で測定する光度の基準は15.000Cdです。

通常の国産車でも25.000Cd程度が普通ですから、車検に持ち込んだ経験がある方なら驚く光度です。

ナロー911でレンズが汚れていた場合は、17.000Cd~であり、レンズが新しくても24.000Cd~が通常です。

6VのLED球の利点は、発電機ジェネレーターへの負担軽減の効果もあります。

ハロゲン球では、2個で100Wであり、配線抵抗などにより18アンペア程度が必要なので、夜間走行が多いとバッテリーが弱くなりますが、LEDならば10アンペア程度になることが測定でわかっています。

現在はテスト使用中なので販売はしていませんが、来年度から販売予定になっております。 

販売になりましたらお知らせいたします。

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2016年4月30日 (土)

ボッシュ なみだ目 オリジナルヘッドライト球 6V 45/40W

356初期にはシールドビームが発明されていません

初期のボッシュに使えるヘッドライト球は数少なく、一時は生産中止でした

当社では6V45/45Wおよび12V45/45Wの2種類が入荷しています

今回は待望の6Vハロゲン球が生産されたました

12V設定はありませんのでご注意ください(下写真・右側)

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取り付けのピンが2枚の板となる特殊な形状です

ヘラのフォグランプも同じ形状ですが、フォグはシングル接点です。

こちらはダブル接点となりヘッドライト専用となります

これでオリジナルの涙目ライトを安心して使えるようになりました!

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ヘラのフォグに使う場合、片側の接点をペイントやテープなどで接触させなければ内部の片側だけ点灯させることができます

しかし配線により発火の危険がありますから自己責任でお使いください

くわしくはこちらをご覧ください

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2014年5月10日 (土)

お出かけはひび割れに注意 

先日、お客様から電話をいただきました。

キャラメルのような黒い、四角いものがエンジンルームに落ちている、ということです。

はて? 黒い四角い部品といえばボッシュの純正レギュレターしか無いのでは。

キャラメル程度の大きさで、とはなんだろう?

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そうです。 純正時代のベルトには無い、近代の無調整ベルトといわれるベルトの切れかけでした。 ベルト内側にミゾを付けておいて調整の手間が少なくなるというふれこみでしたが、現実には、それほどの実感はわかないベルトでした。

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長距離で問題になる356の故障、ナンバー1はベルト関係でプーリーの割れもあり、次にはバッテリー関係が多いです。

バッテリーはジェネレーター(発電機)のブラシ磨耗、レギュレターの故障によるバッテリー消耗が意外と盲点となります。

たまにしか乗らないからこそ、重点を置いて整備をしてください。

JAFも15kmはレッカー無料ですから、かならず加入しておきましょう。

車両の任意保険でもレッカーサービスが付属していることが多いので、当社へのレッカーも無料のお客様も多数おいでです。

ここらのサービス情報もお出かけ前に確かめておくと安心です。

 

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2014年1月19日 (日)

ファンベルトの点検

今年もよろしくお願いいたします。

356、912、911とポルシェではファンベルトの調整にシム・ワッシャを使っています。 

356、912ではこのシム・ワッシャの枚数は10枚と規定されています。 少ないワッシャでは厚さが不足して、メインナットを締めるときに内部のシャフトにぶつかって締め付け不足がおきるからです。

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左の構成は8枚のワッシャで、しかも締め付けがゆるく、さらに点検もされていなかったのでプーリーの内側が変形磨耗しています。

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このために次にはプーリーの取り付けハブが変形して傷が入ってしまいました。

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傷が入ってしまうとさらに変形が進みプーリーの内側にクラックがはいります。 走行中に突然プーリーが割れるという故障も少なくないので、ファンベルトは定期的に取替して、その際にはハブの状態も確認しないといけません。

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下の写真では変形が進んでプーリーにクラックが入っています。

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2010年11月14日 (日)

356Aのフロントウィンカーライト

前回の記事で57年T-2ボディから変更になったウィンカーライト/ランプについて追加して書き込みます。

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USA仕様のオーバーライダー(バンパーガード)チューブ・パイプ付きバンパーが登場して「しばらくしてから」ウィンカーライトに変更・追加がありました。

USA仕様のライトは(パイプが邪魔で視認が悪くなったためと思われますが)ウェッジ/三角形のベース部分に取り付けて高い位置にライトが点灯するように変更されたものです。

このライトはベース部分が左右平行なボルトでボディに取り付けるので、ボディには「左右に穴」が必要です。

SWF K2665 ウェッジベース付きシングル電球 レンズとベース部分にもk2665が入りますSany3067

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下の写真右側がUSA仕様のライトで、「最近のパッキン」の左右穴に適合します。

左側は本国・ヨーロッパ仕様です。

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しかし、この「最近の」パッキンで左側のヨーロッパライトに取り付けるとビス穴位置が上下になってしまいます。

オーバーライダーを嫌って外したレストアとか単にウェッジ/三角ベースを外した場合でも、ボディの穴は左右しか開いていないので、ヨーロッパ・本国仕様ライトをつけるとリムの止めピスが上下に付きます。

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ここで、本来プリAでは上下に開いたビス穴からの変化を考えます。 USA仕様のバンパーチューブが関係してUSA仕様のウィンカーが登場し取り付け穴に変更があったのは明らかでしょう。

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55年1月発行のパーツリスト、3rdエディション版では「4個穴」のパッキンが644-559-495-01というAタイプの番号で訂正記載されていて、オリジナル番号は不明でしたが、USA仕様と本国仕様はライトの取り付け穴が違うのに一枚のパッキンで対応したことがわかります。

同一の分解図が57年発行のパーツリストにも使われ、同じ4枚穴のパッキンが記載されています。

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プリA、そして同時期の「ヨーロッパ・本国仕様」ではウィンカーライトのボディ取り付けは「上下に穴」が必要になります。 USA仕様では左右に穴、それ以外は上下に穴となるので古いオリジナルパッキンは4個の穴が開いてましたが、それではUSA仕様のライトは一体いつからでしょう。

4個穴のパッキンがあるなら4個穴のフロントパネルはあるのか?

標準ボディを上下2個穴で作り、USA仕様は左右穴を追加したのでは?

(56年T-1ボディ、オリジナル・オーバーライダーチューブ付き、USAライト仕様、穴は左右にビス止めですが上下の穴を塞いだあとがあります)

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だいたい、USA仕様ウィンカーは相当早く使われていたのではないか?

これがわからないのです。 356レジストリーでは57年3月のT-2からUSAライトが追加変更とありますが、唯一この記事が時期に触れているだけです。

Bジョンソンの記載ではUSバンパーチューブはSスターで82624前後/1956年中ごろから生産車に採用とありますが、同時にUSAライトかどうかは不明です。 しかし、バンパーチューブ自体はもっと早い時期に作られていました。

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1955年12月の雑誌取材でスピードスターにUSAバンパーが取り付けテストされていますが、残念ながらウィンカーはよく見えません。 

(マフラー用にテールカットされた部分、ヘッドライトとウィンカーライトの距離で初期モデルとわかります)

この写真から見ると、すでに55年の末にUSA販売がメインだったスピードスターに早い変化が起きているようです。 さらにUSA仕様はスピードスターでテストされていた、と考えてみると、とても57年の3月から採用なんて「遅すぎる」ような気がしていますけど、今のところ資料が足りません。

実際、1956年の中ごろにリアのバンパーチューブが採用されながら、ナンバーを隠すというドイツ警察のクレームで、数ヶ月でバンパーチューブが2分割になる変更がありました。

ということは早い時期にバンパーチューブはテストされ、クレームを受けてから分割チューブを「作って」「テストして」、「生産車に取り付け」た時間を考えると、ライトにも「相当早めのテストと変更」があったはずなのですが・・・

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マイナーチェンジでパーツに変更があるとポルシェ社ではサービス・ブリテンを発行して新しいリストを配り、古いリストは全て回収する作業を行っていました。 

当時としては進んだサービスの表れで、これでいつも最新のリストをディーラーが持つことになるのですが、その分、古い資料がそのまま残ることが少なく、正確な変更時期の特定は難しくなります。

当時の一例ですが。1956

1956年3月に生産10.000台を記念するイベントがポルシェ工場でありました。 生産台数を数えると1955年には1万台以上作っていたはずですが、記念イベントだから理由があったかな、と思います。

この写真のヘッドライトとウィンカーの位置が数ヶ月後?か「すでに」か変更されています。 あまり記載を見かけない変更ですがT-2以前のマイナーチェンジというべきでしょう。

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55年式プリAでライト間の距離はペン1本分の隙間でした。 56年の1万台目の356Aでもライト間は狭い距離でした。

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56年後期にはライトの距離が広がっています。 先ほどの56年3月の1万台目が3月で間違いない車両なら(イベント用で3月以前の車かもしれませんが)、55年10月のAモデル発売後、56年3月からわずかの間にマスクパネルのマイナーチェンジがありました。

ひょっとすると56年中ごろのUSAバンパーチューブの採用に合わせて、ウィンカーライト位置を変更した新型パネルにして、当然USA専用ウィンカーも設計されていて、なんて妄想が広がります。 同じ時期に変更があるのが生産コストからも自然なんだけどな。

写真が無いから事実は無かった、という証明はムリだと裁判ではいわれるらしいです・・・

では写真さえあれば、ねぇ~

ライトの間隔が短い56年中ごろの車両にオーバーライダーチューブが付いていて、USAライトがついている「当時の写真」をお持ちの方はお知らせください。

わからないことはまだまだ山のようにあります。 (^ _ ^ ;

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2009年12月31日 (木)

356の建築方式とプラグ

楽しみなはずのクリスマスも過ぎてしまいましたが、TVの名曲集で流れていたのは泣いている歌が多く、笑っているクリスマスの歌が少ないのは、期待はずれで残念な気持ちです。

本来はキリスト文化の祭典の記念日でしょうが、日本では記憶に残す一日としてクリスマスはベストな記念日で「販売日」ですから、音楽市場の売り手側としては、若いお客さん目当ての商売に極端で、流れてくる音楽は男女が別れる歌ばかり、恋人たちの特別記念日の売り宣伝ばかりに聞こえました。

最近の映画も超大作かアニメで、デートする若者か子どもに金を使う親たちばかりを考えているようです。
TVでも楽しいことはお金になること、そればかり上演(とDVD販売)する雰囲気が多く、貧乏な職人には落ち着きません。
私は、以前と違ってクリスマスが楽しめなくなったころ(年ですね!)から、正月に向かう年末がとても楽しい時間で、忘年会をして、大掃除して、アメ横に行って買出しをして、正月は朝からお神酒をいただいて初詣に行く、そんな古来のしきたりが楽しみになってきました。

考えかたとすれば、西洋のお城は千年も二千年も丈夫なように作りますが、日本の大建築はひんぱんに立て替える歴史があります。
千年や二千年も建っているほうが合理的に見えるのですが、千年後に壊してから同じ土地に建て替えはしないでしょうし、過去の人海作戦と技術と同じでは建築も出来ないでしょう。

日本の建築では火災に弱いですが、伊勢神宮にみられるように技術の伝承がありますから、すでに千年以上も同じ技術で同じ建物を維持していける方式で、実はこれからの時代には必要な考えかたではないかと思っています。

西洋の当時の最新技術で作られた石作りの大建築は、現代の最新技術を使わないと再現できないし、同じ場所ではムリという拡大路線が前提ですから、お城の持ち主は帝国領土拡張が必要なのでドンドン攻める方式を取るしかありませんし、最終的にはとてもムダ?が出る方式で、これは現代の自動車の発展にとてもよく似ているな、と感じはじめています。

コンピューター管理の現代の電子式自動車は石造りの大建築と同じで、最新方式で丈夫に作られていますが、無数の配線とセンサーを扱う複雑で怪奇なブラックボックス(分解不可)による「電子機械」は、もう修理という感覚では扱えなくなっています。

たとえば寒冷前線によるひょう(雹)で前面ガラスが割れれば、その直後の大雨により、メーターのコンピューター、ダッシュ裏側、シート下のコンピューターも壊れてしまい、あっという間にすごい金額の修理代になるか、もしくはポンコツになって使える部品のみのリサイクルと、全部が運次第ということも考える必要があります。
リサイクルといったところで、新型が5年後にでれば、ほとんどのコンピューターは全部違いますから、すぐに分解ゴミとなるしかないのは、解体屋さんの現状の話からもわかります。

自動車のリサイクルが売れるのはほんのわずかの時間しかないし、特別な記念日も無い(残念)から、数回のクリスマスが過ぎれば在庫はゴミです。 50年前の部品が今でも使える356とは違って、ムダだらけの最新技術、なんてね。
 
最新技術のカタマリは「普通ではない」状態におかれると耐久性がなく、とはいえ、今の合わせガラスは簡単には割れませんが、そんなこと言うなら、昔からポルシェ356は合わせガラスの最新型の先駆者ですし、同じように心配いりません。

具体的に356のことで考えると、皆さんがおなじみのスパーク・プラグ(最終点火用の部品)も時代と共に変化してきました。 これは6V時代の車では考えられない技術の進歩によるもので、プラグ・ギャップ(点火時の電極すきま)による電圧上昇、プラチナ加工による耐久性、それとイリジウム加工で薄い燃料を高電圧で燃やしきる排気ガス対策方式などが有名なところです。

Sany1630 (プラグの抵抗部分)

356は6Vですから、ほとんどの最新電気技術は向きません。 かえって伝統的な方式が向いています。

もしもエンジンの掛かりが悪いから、といった「些細な理由」でプラグやコードを変更しようとすると、石造りの土台に木造建築とはならなくて、木造土台の京都清水寺に東京タワーを建てるほど、向きません。
それが12Vであれば、清水寺に健康ランドを作る程度のことですが、よほど慎重に進めないと大失敗します。

最新技術ということは、「全部」最新でないといけないから最新技術なのです。

6Vの356では点火コイル(イグニッション・コイル)の発生電圧が低いので、大きな電圧が必要な最新プラグを使うと、かぶります。
(点火火花が飛ばなくなるか、やがて飛ばなくなる)
おなじようにコードを最新にすれば、抵抗が大きいので、かぶります。
プラグのギャップが大きいものにすれば、これもかぶります。
ポイントを電子式(フルトラ・セミトラ)というのにしても、ポイントの電気変化に強くなっただけであり、プラグのかぶりに強くはなっていないので、やっぱりかぶります。

点火系の部品を変えたら排気ガスの濃度を測り、点火系統も測りましょう。 

昔の車は排気ガスが汚いと勘違いされていますが、356の排気ガスは少し前の国産ライトバン程度の汚れで、今の車検は楽勝です。

356用の触媒さえあれば現在の新車基準に合格するほどきれいなガスが標準です。

Sany1632_2 (点火波形で電圧の変化を見ます)

つまり、エンジンのかかりが悪い、という「伝統的な故障」を最新技術で解決しようとすれば、石造りのお城を建て直す、というほどの決意を持って部品を(根本的に)変えていく必要があります。
しかし、当時の伝統的な修理方法で修理していけば、356が新車であった状態に「建て直す」ことができます。 無駄な部品交換はもったいないですし。

なんでもないような地道な作業だけの連続で新車の状態に修理できる、いわば木造建築と同じ方式で作られているポルシェ356が、だから私は大好きです。

今年もありがとうございました。

新年もよろしくお願いいたします。

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2009年12月 7日 (月)

修理に正解はあるのか

本当のことを知りたい、いっぺんに正解にたどり着きたいという趣旨の問い合わせをいただくことが多いです。

メーカーの整備書には部品交換手順の正解が書いてありますし、調整方法の正解も書いてあります。

しかし、「故障の修理」となると、故障箇所により正解がどこにも書いてありません。

交換ならば、正解部品と間違った部品があるのは「比べてみれば」わかり、手順通りに交換します。 

しかしながら、「間違った部品」が組みつけられていたり、「壊れている」のに気が付かなかったり、ということが原因でおきた故障も数多くあり、不思議な故障をたくさん見てきました。

これには、たくさんの人間がさわってきている、という過去が関係あります。

部品の寿命による故障・・・クランクシャフトが折れる、ネジが折れる
外来の影響による故障・・・パンクとか、水によるさび付きで動かないとか

こういった簡単な!故障は見ればわかります。

プラグがいつもかぶる、セルモーターを取り替えても調子わるい、バッテリーがすぐにあがる、突然のエンストを繰り返す、といった不思議な故障は「さわった人間」がいることを想像すると、原因が早めにわかることが多いようです。

ポルシェ356は50年の時間が経過していますから、たくさんの人間たちがさわってきている自動車です。 したがって、「過去の誰かが関係した故障」はそれぞれ原因が違い、原因追求は難しいことが多くなります。

簡単な!修理を見てみます。

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6Vの純正ジェネレーターを分解、メッキして、コンクール仕様にするつもりです。

問題なく動いて発電していたし、ボディはきれいにペイントされているので、簡単な!気持ちで始めると・・・

あらら、カバー内側にメタリックの粉があります。 これをペイントのミスだろうと見過ごせば「大失敗」です。

これが修理の正解のミソでした。

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コミュテーターのハンダが溶けて張り付いているということです。

ということで、きちんとした内部のO/Hとレギュレターの内部テストが追加になり、バッテリーの放電状態と充電警告灯も追加テストです。

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ボディを良く見ると内部コイルを止めているマイナスねじに「危険な」匂いがしています。

ここはボッシュの硬くて有名なマイナスねじで、しっかりした工具がないと外せないのですが、タガネらしきもので叩いた跡がしっかり残っています。

このように、タガネを使うのは、交換工具として最後の手段なのですが、過去の誰かがあきらめたせいで中途半端な部品が残されてしまいます。

でも、その上からペイントされているので、「外せなかった誰か」がいたことを考えて、時間が掛かることを思いつつ、本腰で外します。

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ここで根性だけ見せて頑張ると、ボディがゆがんだり割れたりして、オリジナルのジュネレーターが一台、この世から消えてなくなってしまいます。

ねじ山を付いたままで削り、工具が入るように溝を切りなおして作業します。

思ったとおり、硬いこと、硬いこと。

とっても時間をかけて、壊さずに取れました。 

あわよくば使いたかったのですが、ついていたねじは「格好悪い」キズがついているので交換します。 しかし、溶接すれば元の形状を作ることも可能です。

こちらのマイナスねじはパーツとしての供給はありません。

中古のジェネレーターを分解してねじを取るか、ねじを作るか、なんとか探すか。

Sany1552 こんな時のために長い時間をかけて部品収集していた甲斐があるものです。

完成形は下の写真のようになります。

時間と工具が必要な、簡単な!修理作業の一部でした。

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いつも問題集を解いているような面白さも修理にはあるものです。

\(^◇^)/

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2009年11月19日 (木)

6Vバッテリーのサイズ

前回のブログで6V84Ahのバッテリーが生産されていない、と書きましたが、探せばあるものです。

東ドイツ時代のトラバントが同じサイズでしたので、今でも生産がありました。 サイズも判明しましたので紹介いたします。

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224x173x220 (幅x奥行きx高さ)

現在のバッテリーが幅210ですので、やはり14ミリ狭くなっています。 これによってカバーの内側の止め金具がわずかにずれて外れることになります。

この古いタイプのバッテリーは上に極板が露出しています。 ターミナル以外にもこの部分もショートを起こす原因になるので、トランクルームに工具を積んでいる356には、カバーが絶対に必要だったのです。 

ちなみにバッテリーは銅と硫酸で電気を発生しますが、この発生電圧は2.2Vです。 科学的にそうなっているので、3個のセル(部屋)をつないでいくと「6.6V」を発生しており、これがいわゆる6ボルトのバッテリーとなります。

6個のセルをつなげば2.2X6=13.2Vとなり、こちらがいわゆる「12ボルト」バッテリーとなっています。

電圧計で測ると新しい6Vバッテリーは6.3-6.4Vを発生しており(低下は内部抵抗による)、使用中のバッテリーでも、6.2-6.3V程度は発生しています。

Sany2916 (充電中の新品バッテリー)

ダメになった場合、かろうじて6V程度を出すこともありますが、内部電極の崩壊で「発生電流」が小さくなっているため、6Vの電圧があってもセルモーターは回らない、という状態になり、これがバッテリーの寿命です。

Sany2917 (寿命がきているが6Vの電圧はでるバッテリー)

運がいいと5-6年使えますが、メーカーは30ヶ月が寿命といっていますので、3年-4年で使えなくなるのが通常です。

比重計という道具を購入されてバッテリー液の比重を測ると比重が軽くなっていることで、科学的な電圧の発生の状態が見られます。

比重が1箇所だけ軽い、というのはバッテリー寿命の合図です。

Sany2915 (6Vでているが比重が無いバッテリー)

何回も充電しているが調子が出ないというバッテリーは比重を絶対に測っておいたほうが、時間のムダを省けます。

昔は中の硫酸を抜きかえるという荒業もあったそうですが、この廃液を下水に流したりすると「硫化水素」を発生させる危険性があるので、さわることは厳禁ですからご注意ください。 新聞に載ることになります。

(^ _ ^ ;

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2009年11月 6日 (金)

356のショートするバッテリー・カバー

有名な356さんのブログで、ポルシェ356のバッテリー・ターミナル(接点)がショートして発熱・発火するという体験を読みました。

私も以前に体験したことがあったのですが、書いておくことを失念していましたので、記載しておきます。

356のバッテリーは本来が84Ah(アンペア・アワー)というサイズで、正確な寸法は記録がないのでわかりませんが、現在の77Ahよりも大きなサイズでした。

そのため、初期プリA用のバッテリーカバーは大きなサイズであり、現在の77Ahバッテリーに付けると隙間が空いてしまいます。 

Sany1314 (左からプリA用スチール・レプリカ、ABタイプオリジナル、スピードスター用改造タイプ)

Aタイプ以後のレプリカ・カバーであっても大きいサイズで作成されていて、しかも日本の気候に合わないのか、ゆがんで曲がっていることが多く、これも隙間が空きます。

写真右端の改造カバーは下部を切断してフロアとの干渉を避けて、さらに幅も狭くしぼり、現在の小さなバッテリーに合わせてターミナルとの接触を避けています。

Sany1316 (重ねて比べるとプリAは幅が広く、留め金部分の幅も1~2cmほど大きい)

このわずか1~2cmの隙間によりバッテリー・カバーは斜めに取り付いてしまい、ターミナルに当たることになります。

それでは、初期プリAはスチール製だからショートするが、現在のレプリカ・カバーは樹脂ですから、これでショートはしないだろうと思われるでしょうが、そうではなく、樹脂カバーでもショートした例があります。

実は、ショート原因はバッテリー・カバーを「バンドで引っ掛けること」です。

バッテリー・カバーのサポート部分は鉄製です。 プリAからT-5Bまでの356は、ここのサイドに鉄スプリングを引っ掛けて止めています。

Clip1 このサポート部分は「鉄」で作ってあり、その部分のウラ側がバッテリー本体の止め金具を兼用しています。

つまり、サポート部分はウラ側部ではターミナルまで1cm程度の隙間しかありません。

それはポルシェ社も承知していましたので、サポート部分にはもともと被覆のゴムが付いていてショートしないように作ってあります。 レプリカ・カバーには被覆のゴムが付いていますし、オリジナルであれば多分「ゴムのり」が残っているだけでしょう。

Clip2_2

が、しかし、経年変化でゴムのカバーが無くなり、バッテリーは幅が狭くなり、さらにカバーのゆがみによる隙間によって、バッテリーのプラス・ターミナルにカバーが接触します。 偶然はどんなことにも起こるものですし、重なっていけば必然になります。

356のバッテリは、トランク正面に立って、上から見て「左がプラス」、「右がマイナス」で、左側のターミナルに接触ショートがあります。 しかし改造配線もありますので、かならず、プラスはバッテリーの表示(本体に書いてあります)で確かめてください。

接触だけではショートはすぐにおきませんが、最後に取り付ける「カバー・スプリング」は、下側をボディにはさんで止めていますから、電気で考えれば、バッテリーのマイナスのターミナルと同じ役目をしています。

Sany1325 (内幅21cmだと現在のバッテリーと同じ)

そのために、カバースプリングを止めたとたんにショートする、という「わかりやすい」故障で、その場で気がつけばラッキーで(知っています!)、そうでないと走行中にショートして発火する焼損が考えられます。

ちなみに電気ショートによる火災は配線が焼ききれるまで発熱が続くので、バッテリー配線のように特に太い配線ならば、消火器でも消えない最悪事態もあります。

対策としてカバーにはビニールテープをプラス側に巻きつける、ガムテープを巻く、ゴムを買ってきて日曜大工で取り付ける、バッテリーではプラスターミナルをテープで巻いておくなど、イロイロ考えることができますので、ご自由に対策してください。

カバースプリングが付いていないから止めていない、というのはある意味ラッキーな状態かもしれませんね。

その後T-6以後は樹脂カバーをゴムバンドで止める、という万全の体制に変更されたので、ショート事故はおきません。

ですが、バッテリーにカバーが無い状態で、たくさんの工具を積んでいたため、スパナがバッテリーターミナルにはさまってショートした911を見たことがありますので、工具の入れ方もご注意ください。

それと、バッテリーがよく上がるので、ここでショートしているのか?と思われる方、ショートしたらバッテリーが上がったりせず「燃えます」ので、バッテリー上がりの原因はここでは無いと思いますが。 \(^◇^)/

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