殿様のシフトレバー
めっきりと涼しい風が気持ちよい季節になりましたが、356のエンジンを掛けてからスタートするまでが、実に長い手順で申し訳ありませんでした。
ギアを入れてから、例の半クラッチでスタートしたあと、運転中はステアリング操作とギアチェンジがとても必要になります、というか、使わないとまともに走らないのはあたりまえです。
そういえば、子どものころに見ていた路線バスの運転手さんは、いつもシフトレバーに手を載せたままでダブルクラッチを使っていますし、ハンドル(正確にはステアリング・ホイール)も「内がけまわし」という、戦前の兵隊さんが覚えてきたテクニックである、特殊な回し方をするので、ヘー、これがプロのテクニックなんだ、と感心していたものです。
が、実は、バスは過酷に使われていて、ギアのシンクロがヘタっているのでダブルクラッチが必要だし、当時のパワステも弱いので、内がけまわしというパワステ無しのトラック用の回し方を使っていたのです。
そういうことをマネしているのではないでしょうが、走行中でも信号待ちのでも、いつものクセでシフトレバーをさわったままでいるドライバーさんを見かけます。
よく見ると、シフトレバーを手で「押したまま」で走っていたり、信号待ちしている方や、極端な場合、殿様のようにシフトレバーに寄りかかって、楽な姿勢をとっている方も見かけます。
バスで覚えなくても、オートマのシフトレバーで覚えたのかもしれませんが、オートマのシフトレバーは「単なるスイッチの棒=押しボタンでも良い」なのに対し、マニュアルのシフトレバーは、ミッションに直結する「大事な操作レバー」の違いがあります。
いつかも書きましたが、信号待ちでクラッチを踏んだままにするとクラッチもエンジンも痛めますが、さらに追加で「シフトレバーの押しっぱなし」は、リンケージからシフトロッド、シフトフォークから最後には、ポルシェシンクロをダメにしてしまいますので注意が必要です。
(519ミッションでは40番、644ミッションでは34番。 いずれも悪いシフト操作を「しなくても」折れるので有名なシフトロッドです)
この話は長くなりますのでまた次回。
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