急いで操作するシフト・ダウンの場合、シンクロの加減でギアが入りにくくなることは皆さんも経験でご存知の通りです。
レースなどの「火急の用事」でシフト・ダウンをミス無く正確に速くするために発明された(ダレの発明だろう?)手順がヒール・アンド・トウの技術です。
いろいろな雑誌などにも書かれているので充分にご存知とは思いますが、356の場合について少し書いておきたいと思います。
初めにとても肝心な条件があります。
必ず「強いブレーキを掛けながら」シフト・ダウンをする場合、ということです。
減速時にブレーキ保護のために使う、または減速後のコーナーでの加速に備えてシフト・ダウンしておく、などの理由があって使うので時間的にも忙しい方法です。
○減速で強いブレーキを踏む(つま先とは限らない)
○クラッチを踏んでギアを抜く
○ニュートラル位置にしてクラッチを離す(エンジンとミッションをつなぐ)
○ブレーキを強く踏んだまま
カカト(カカトとは限らない)でアクセルペダルを踏んでエンジンを吹かす
○吹かすと同時にクラッチを踏んで下のギアにシフト・ダウンする
○クラッチをつなぐのはコーナーの出口か中央か入り口か?はあなたのライン次第です
○コーナーラインによってはカカトでエンジンを吹かしたまま、ブレーキも踏んだまま
以上をわずかの時間内で使えるように練習をしますが、雑誌などで見かける文章で気に入らない文章があります。
『ポルシェはオルガン式でペダル配置が悪いのでヒール・アンド・トウがやりにくい』などというのがありますが、実に持ってけしからん、と思うのは私だけ?
ポルシェ356でのヒール・アンド・トウの条件には先ほど書いたように「強いブレーキ」という前提があります。 チョロチョロブレーキですむならエンジンブレーキなど掛けなくても356のブレーキは焼けませんし壊れません。 そもそも一般道程度では356にヒール・アンド・トウは必要ないのです。
356はブレーキを踏むなら「思いっきり」踏んで、そうして初めてヒール・アンド・トウが必要なペダル位置になるように作られていますし、そのように調整をしなければなりません。
また、現代車のようにサーボシステムが付いていない、いわゆる「出来高払い」のブレーキですから、強いブレーキならばドンドン踏み込んでいく必要があります。 けっしてペダルが重くはありませんが、きっちりとブレーキペダルを踏むタイプの車です。
そうです、今時のサーボ付の車でブレーキペダルをチョコンと踏んでカッコ付けのヒール・アンド・トウならば確かにやりにくいかもしれませんね。 ゴメンネ・・・
ブレーキを踏む前の位置です。
ここはペダルストッパー(鉄の板にゴムブッシュ)によりこれ以上手前に来ないように止まっている位置です。
(この写真ではブッシュが減ってペダルが手前に出ています)
ブレーキを踏んでいくとコチンと軽くぶつかる位置があります。 これがマスターシリンダというブレーキ油圧装置に触った位置で、遊びが無くなり、このすぐ先からブレーキが効き始めます、という位置です。
最初の位置からこの遊びが取れるまでの位置は調整して詰めておきましょう。 ペダルとシリンダの遊びは内部で「1ミリ」ですから、この写真の遊びでは多すぎます。
さらにブレーキを踏み込んでようやくブレーキが効き始めています。 軽く押していますが、この位置から強いブレーキを踏んでいればアクセルペダルと並行の位置までブレーキペダルが低くなりアクセルペダルにカカトが容易に乗るようになります。
ブレーキはつま先に限らず使えるほうが便利で、右足の親指のつけねは力がとても入れやすいので、足の大きさによりお試しください。
アクセルはカカト以外、靴の外側も使えますので(私はそうです)、これもお試しください。
アクセルペダルにも、もちろん調整が付いています。 前後はもちろんペダルの向き位置の左右も調整できます。 (スゴイでしょう)
エンジンが吹けるまでの遊びは少な目にしておくとカカトでのひと吹かしに便利です。 また踏み込み過ぎてキャブリンクを傷めないように裏側に調整ボルトがありますので、自制心が弱いかたは目一杯に踏めないように調整するのもどうでしょう。 (^ _ ^ ;
356にはたくさんの調整箇所があり、すべては意味を持っています。 すこしずつ自分の体に合わせて調整するのも楽しいことだと思います。
これで正月休みも仕事が増えたでしょうか。 今後ともよろしくお願いいたします。
\(^◇^)/
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